先日、父が亡くなりました。父は預金が100万ほどありましたが、500万を超えるカードローンもありました。
カードの料金や税金の滞納があったため、私が支払いしました。支払った後に、知人から相続放棄のことを教えてもらいました。さらに、相続財産を一部でも処分すると、相続を承認したものとみなされ、相続放棄が出来なくなるともいわれました。
この場合は、私は相続を承認したものとみなされて、相続放棄が出来なくなってしまうのでしょうか。
ご自身の預金からの支払であれば、問題ありません。
今回お支払いのために使ったのが、ご自身の財産なのか、亡父の財産なのかによって、結論が異なります。
ご自身の財産から支払った場合は、特に問題ありません。債務の支払い自体は、相続財産の処分とはみなされません。
しかし、亡父の預金などから支払いをした場合については、見解が分かれています。亡父の財産を使ったこととなり、相続財産の一部を処分=相続を承認したものとみなし(単純承認)、以後、相続放棄はできない可能性がございます。
参考判例
- 相続人らの固有財産である死亡保険金をもって行った、被相続人の相続債務の一部弁済行為は、相続財産の一部を処分したことに当たらない(福岡高宮崎支決平10.12.22家月51.5.49)。