会社の変更登記のご相談を受けたところ、実は「登記懈怠」の状態になっていた会社が以外に多くございます。
たとえば、以下のようなケース。
・平成19年に設立した株式会社。令和2年に役員を追加したいと相談を受け、登記情報を拝見したところ、現役員が平成29年4月に任期満了したままの状態であったことが発覚。
・有限会社から解散登記をしたいとの相談を受けたところ、監査役が10年以上前に死亡していたことが発覚。登記情報を確認したところ、死亡の登記を怠っていた状態であった。
上記のような場合、登記(または選任)を懈怠している状態であること、過料の対象になりうることをご説明します。
過料とは?
・過料とは?
法律上、会社の登記事項に変更が生じた場合は、2週間以内に変更登記を申請しなければならないと定められています(会社法第915条)。
登記を怠りますと、100万以下の「過料」処せられることがございます(会社法第976条)。
・いつ頃くるの?
登記をしてから数か月後に届くことが多いと言われています。
・会社宛にくるの?
会社宛ではなく、代表者個人宅宛にきます。代表者個人の住所宛に、裁判所から届きます。
なお過料は行政罰であり、特に前科にはなりません。
・いくらくらい、とられるの?
過料額は裁判所が決定するため、詳しくは分かりません。ただ業界内の目安ですが、懈怠1年で1~3万が多いと言われています。
・代表者が変わっていたら?
過料の対象となるのは、登記を怠っていた当時の代表取締役です。
まとめ(重要なポイント)
- 過料を科せられるのは、登記義務を怠っていた代表者個人(会社ではない)
- 裁判所から書類が届きますが、「前科」にはなりません。
- 会社の登記事項に変更が生じたら、速やかに登記を行いましょう!